人はなぜ「今」が一番不幸に感じるのか

メンタル改善

うまくいっているときでも不幸を感じる

うまくいっているときでも、この状態が続くことはないとか、うまくいくわけがないとか考えてしまうのは、そう考えるシステムが人間の脳に刻み込まれているからです。

実はそのおかげで、人々は生き残ってきました。不安や危険を感じるからこそ、次を考えて準備し、分析することで前に進んでいけたわけです。つまり、人間は不幸や不安を感じやすくなるようにできており、調子がいいときでも不安を感じやすい人たちが生き残ってたのです。

なので、不幸や不安を感じることは悪いことではありません。そういう性質を理解した上で、いま自分が感じている目の前の幸せを楽しむことが重要です。

「今」が不幸に感じる3つの理由

うまくいっているときや幸せなときにも、不幸をあえて感じてしまう人間の性質を3つご紹介します。

①楽観バイアス

根拠もなく、いまより未来のほうが時間もお金もあり、成長して成功していると考えます。いまより未来のほうがいいと思うために、未来に比べていまを不幸に感じます。これが楽観バイアスです。

子孫を残さねばならないという本能が、よりよい未来のために、いまがんばっていこうと考えることができるのです。いまに満足することなく、未来のためにがんばるというこの考え方により、いまの幸せを感じにくくなっているのです。

②ポリアンナ効果

過去がひどく、辛いものであると、その思い出に引っ張られて前に進めなくなってしまいます。前にすすめるようにするために、過去の嫌な体験が薄められて、それを小さく見積もることで、過去はよかったと思うようになります。これがポリアンナ効果です。

①の楽観バイアスにより、いまより未来がよいもの感じ、②のポリアンナ効果により、いまより過去もよいものに感じ、結果として「いま」が一番不幸なときとなってしまうのです。

③快楽の踏車効果

いいことがあっても、すぐにそれに慣れてしまい、もっといいことが起こるのではないかと考えます。これが快楽の踏車効果です。

たとえば、給与が大幅に上がった人がいるとします。上がった瞬間は幸せの絶頂を感じますが、徐々にその幸せに慣れて嬉しさが下がってきます。そして、もっと上、もっと上、と望むようになり、いつまでも「いま」に満足できなくなってしまいます。

「いま」を大切にするには

人はこの「いま」という瞬間にしか生きていません。「いま」に集中し、没頭する時間が長くなれば長くなるほど「いま」を大切にでき、幸せを感じることができます。「いま」を大切にする対策を2つ残しておきます。

①過去を記録に残す

就寝前に、その日に起きたことと、そのときに抱いた感情や悩みを記録に残しておきます。後で見直せるようにスケジュール帳に書いておくといいかもしれません。

すると、1年前に自分が何を考え、悩んでいたかがわかります。もし、過去はよかったと思っていても、過去の記録を見ることで、過去も今も同じように悩んでいたことがわかり、バイアスに左右されにくくなります。

②未来を「いま」の延長線上と考える

未来にバラ色を見がちな人間ですが、未来を「いま」の延長線上にあると考え、現実的な予測を立てるようにします。自分の理想や目標を達成するための目の前の「いま」しなければならない準備に集中しましょう。

切り離されたような未来が「いま」の延長線上となるつながりが、理想や目標に近づいていける正しい未来計画を実現します。現実的な目標を立てることができ、モチベーションアップにもなります。

最後に

「いま」を不幸、不安に感じることは、生存確率を上げるようにとの遺伝子に刻まれてメッセージです。これがあるからこそ、人は前に進み、成長できます。そのこと自体を前向きに考えることも大事だと思います。

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