IAP呼吸法とは
IAP(Intra Abdominal Pressure)呼吸法とは、息を吸うときも吐くときも、お腹の中の圧力を高めたまま、お腹周りを固くする呼吸法です。腹式呼吸とは違い、腹圧呼吸です。大きな違いは、息を吐いているときに、お腹を凹ませずに、お腹に圧をかけ膨らませたまま息を吐くことです。
IAP呼吸法の効果
- 体の中心が安定する(体幹と脊柱)
- 正しい姿勢になる
- 体の各パーツがあるべきポジションに、きちんとあるようになる
- 無理な動きがなくなる
- 体のパフォーマンスが高くなり疲れにくくなる
IAP呼吸法のやり方
リラックスして行います。体調が優れないときはやらないことです。少なくとも1日1回実践することが疲労防止につながります。
①耳と肩のラインをまっすぐにしてゆったり座ります。お腹と太ももは90度。ひざ裏(太ももの裏側とふくらはぎ)も90度にします。手の平を上向きにして、指先(人差し指、中指、薬指の先)をお腹に向けて両手をひざの上に置きます。
②両手をゆっくりスライドさせ、足の付根(鼠径(そけい)部)に指先を軽く差し込みます。
③5秒かけて鼻から目一杯息を吸い、足の付け根に差し込んだ指を、徐々に押し返すようにお腹を膨らませます。これが腹圧が高まっている状態になります。このとき、肩を上げないようにしてください。横隔膜が下がりやすくなります。
■ポイント:肩を上げない。膨らんだお腹に指が押し返される感覚。
④5秒かけて吸った空気を、5~7秒かけてゆっくりと口から吐きます。ポイントは、息を吐くときに腹圧を弱めないことです。膨らんだお腹が指を押し返す感覚をできるだけ保ったまま、息を吐きましょう。息を全部吐ききったら、お腹を一度ゆるめて③に戻ります。③と④を、合計5回くり返したら終了です。
■慣れてきたら、手を使う必要はもうありません。時々、うまくできているか確かめる程度で十分です。立ってできるようになったら普段に日常生活でも「IAP呼吸法」を実践して、できるだけ腹圧を高めて呼吸するようにシフトしていくと、より疲れにくくなります。
IAP呼吸法のさらなる活用
①腰痛への対処法にも
上述のIAP呼吸法を5秒から10秒伸ばしたバージョンです。10秒ほどかけて息を吸い、全身をリラックスさせて10秒息をかけて吐きます。これを何度か繰り返してみましょう。少し痛みが和らぐはずです。そして、ゆっくりと歩いてみます。少し体を動かすことが回復につながります。
②睡眠への対策法にも
眠れなければ、就寝前にIAP呼吸法を行いましょう。2,3回行いってから眠ってみてください。就寝中に副交感神経が行う回復作業をサポートでき、睡眠の質が向上します。
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