金銭的インセンティブの法則とは
報酬の可能性をちらつかされると、かえってモチベーションが下がる、という心理的傾向のことです。
インセンティブ=動機づけ
金銭的インセンティブは快楽中枢を刺激する
金銭的インセンティブが快楽中枢を刺激するのに対して、利他的な欲求は博愛中枢を刺激します。これらの中枢はどちらか一方だけ優先されるという傾向があります。
そして、金銭的利益をちらつかされると、快楽中枢の方が刺激され、金銭的報酬で行動の動機づけがされることが優先されるのです。そのため、利他的行動ができなくなってしまいます。
快楽中枢と博愛中枢が争うとき、快楽中枢が勝ってしまうようです。
金銭的報酬をちらつかされると、モチベーションが下がる理由
- テストで良い点を取ったら、〇〇円あげる
- 仕事を手伝ってくれたら、〇〇円あげる
- 要するに、〇〇してくれたら、〇〇円あげるということですね。
こういった場合、テストで良い点を取る、仕事を手伝う、というモチベーションが下がるのは下記の要件が満たされたときです。
①金銭的報酬をちらつかせ(提示)、快楽中枢が刺激される
②要求された内容が、金銭的報酬の対価よりも高く感じる
つまり、テストで良い点を取っても、1000円しかもらえないのか、と思ったら、モチベーションが下がって勉強しなくなるんですね。また、ジュース1缶(120円くらい)おごるから、仕事手伝ってと言われても、それくらいしかくれないんだったら自分でしてくれ、と思うでしょう。
これらの例の場合だったら、金銭的報酬を提示せず、適当な理由を述べて相手に頼んだほうが、まだ行動してくれる可能性があります。
相手に何かやってほしい場合は、安易に金銭的報酬をちらつかせないことが重要です。
相手から金銭的インセンティブの法則を利用された場合の対処法
自分から金銭的インセンティブの法則を利用する場合は、ただ単に気をつければいいだけです。
対価として低いと、相手のモチベーションを下げるから、安易に金銭的報酬を提示しない。
また、金銭的報酬を提示することで相手を動かしたければ、対価として相応しい金額か、それ以上の金額のものを提示する必要があります。(テストで良い点を取れば、USJに連れて行ってもらえるなら、むしろ頑張るかもしれません。相手にとってそれが価値のあることかが大事です。逆に言えば、勉強すること自体の重要性や価値に気づけば、何もしなくても勉強するということです。)
では、相手から金銭的報酬を提示されて、反対にモチベーションが下がってしまいそうなとき、どうすればいいでしょうか。
金銭的に報酬が低くても、自分のやるべきことはやる、自分のやりたいことはやると、気持ちを切り替えましょう。もし、この金銭的報酬がなければ、自分は〇〇対して努力するだろうか、やる気を持っただろうか、と自問します。そして、報酬に関係なく、自分がすべきことに集中しましょう。
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