評価バイアス―その2

メンタル改善

評価バイアスのもう一つの側面

それは、評価ラベルをつけられた人は、実際にラベルどおりの特徴を身につけるということです。

自分に貼られたラベルに自分を合わせる

職場において、ある部下を高く評価し、信頼してくれる上司がいたとしましょう。すると、自分に寄せられた期待に応えようと、その部下は頑張ったり、そう演じようとします。

反対に、ある部下を低く評価し、仕事ができないと信じている上司がいるとしましょう。すると、その部下は、自分のことを無能だと感じ、やる気がなくなり、本当に無能を演じるのです。

実際には、演じているというよりは、無意識にそうなってしまうのでしょう。気づかないうちに、自分に与えられた評価を支える特徴を身に帯びるようになることがあるのです。

ラベルを貼られると、それが世の中の自分の姿であると思い込み、それに合わせた振る舞いをするようになりやすい、ということです。

魅力的な人だと思って話してみると、相手が魅力的になる

逆も然りですが、そういった傾向があるようです。

誰かを相手に、相手がこうであると評価した上で話していると、その評価に関わる合図やかすかなメッセージが伝わって、実際にそうであるように受け答えするのですね。

人間は、お互いに、評価されたメッセージを送ったり、受け取ったりしているのです。そして、私たちは、他人からくだされた評価に近い特性を、知らず知らずのうちに身に着けてしまうのです。

さらに、一度その特徴を身につけると、それを見た相手がその評価を再認識し、さらにその特徴を身につけ続けることになります。

評価バイアスに流されないために

他人から与えられた評価ラベルに合わせて、自分をつくりあげてしまう。それは社会の中で、円滑に生きていくために良い側面もあるかもしれませんし、逆に不幸を招くこともあるかもしれません。

置かれた環境によって、与えられるラベルが違いますから、人は環境によって変わることができるということでもあります。なりたい自分になれるようなラベルを貼ってくれる環境に身を置くこともいい方法なのでしょう。

人と関わる時間が多すぎると、いろいろな評価ラベルに身を包んでしまい、疲れてしまうでしょう。一人の時間を大切にして、ラベルの影響から離れてみます。誰かの前では何かを演じますが、自分は自分だな、と思えます。

評価は、あくまで暫定的なもの。そう思って、自分を変えていくことも可能です。そして、他人が変わっていくことも受け入れることができます。

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