価値基準の法則

メンタル改善

価値基準の法則とは

客観的なデータではなく、最初の印象にもとづいて人やものの価値を判断することです。

新しい人やものや状況に遭遇したとき、人は第一印象を基準にして、その価値を判断しがちです。そして、評価をくだしたあとは、ほかの見方をするのがとても難しくなってしまう傾向があります。

つまり、いったん何かに値札(ラベル)をつけてしまうと、合理的判断が難しくなったり、できなくなってしまうことがあるのですね。

日常にある価値基準の法則

  • 人の第一印象を、なかなか変えられない
  • 値段が高いもの=品質が高い
  • 値段が安いもの=品質が低い
  • 値下げしたものは価値が低い
  • 服装や身につけているもので、その人が裕福か判断する

その他いろいろありますが、割愛します。

まったく同じ品質のものが値下げされると、普通は値下げされた安い方を買うと思うのですが、値下げされたものは何かあって価値が下がっているのではと考え、値下げされていないものを買ってしまうなんてことがあるようです。

また、野球帽、ジーンズを身に着けた世界屈指の音楽家が地下鉄で43分演奏を続けましたが、拍手喝采もカメラのフラッシュも光らなかった、という実験があります。

つまり、人は、ある程度の決まった傾向や最初の見た目からの印象を、なかなか変えられないのですね。合理的な判断をして、中身の価値を見抜くことができない場合も結構あるのかもしれません。

価値基準の法則に陥らないために

第一印象や物事を直感的に判断するというのは、決して悪いことではありません。そいうった能力があるからこそ、人は生きてこれたとも言えます。原始的に、人は身を守るために迅速な判断をしないといけなかったからです。(ヤバそうな奴が目の前に現れたら、すぐ戦うか逃げるかする必要があります。観察や考察してる暇なんてないのですね。)

人間の直感力には有効な部分がありますが、そればかりに頼っては騙されてしまうこともあります。なので、価値基準の法則によって損害を受けないためにできることを記しておきます。

物事の表面だけ見ない

第一印象をどう感じるかは、人間の本能的な部分によることもあるので、それ自体は仕方ありません。なので、自分の第一印象が間違っているかもしれないな、とあらかじめ考えておけばいいのです。

物事を表面的に見るのではなく、本質を注意深く観察するということを心掛けるのもいいでしょう。

人やもの、状況の価値を判断するとき、それが仮定にもとづいていることを理解することも、このバイアスを避けるための良い方法です。

価格が高ければ、安全だし品質が高い(という仮定)。というのは、だいたいの場合に当たっているでしょう。しかし、せっかく高いものを買ったのに、中身が写真と違うとか、評価が高いからと購入した商品が必ずしも満足のいくものではなかったとか、結構起こります。広告やCMや通販で良い印象を与えられて、それを買っても、食べたら美味しくなかった、飲んでみたら体が受け付けなかった、服やカバンが自分には合わなかった等、挙げればきりがありません。

自分が、この商品いいなと思ったら、そう思ったのは何の仮定に成り立っているか自問しましょう。

〇〇を食べたり飲んだりしたら、疲れが取れる。とあれば、〇〇自体が本当に疲れを取る効果があるのか、それが最適な方法なのか、調べればいいのですね。(広告紹介されてる根拠だけで判断しないのが懸命です。)服も、スタイルのいい人しかそもそも似合わないとか、芸能人が着たら似合うけど、実際にそれを着て自分が外に出たらどうだろう?と考えるのもいいでしょう。

価値基準の法則を味方につける

シンプルに言ってしまえば、第一印象を良くしておこう!ということですね。

見た目なら、身だしなみを整えておいたり、自分に合った服を着ておくとかですね。精神的な部分では、機嫌よくしておくとか、笑顔で話しかけるとかですね。(これも見た目といえば見た目なんですけど)

第一印象を良くしておき、その評価を一貫性の法則や評価バイアスが維持してくれる。といったことも起こります。一度最初に良い評価を与えた人には、次からなかなか悪い評価をつけにくいようです。

恐ろしいことに逆も然りです。第一印象が悪いと損しやすいので、愛想よくするのが苦手な人も、少しは機嫌よくしておくといいかもしれませんね。

こういったバイアスに流されにくくして、本当に良い人を見つけるというのも面白いかもしれません。周りからの評価は良くないけど、話してみたり、一緒に仕事をしたら、別に普通だったなんてことが私には何度かありましたし、自分にとっては良い人だったこともあります。

周りからの評価というのは、バイアスで多少なりとも歪められているので、アテになったり、ならなかったりで、実際にその人と関わるまでわかりません。商品や映画もそうですね。

バイアスに振り回されず、自分にとって良いものを選択できたらいいですよね。

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