コミットメントの法則とは
ある物事に時間や労力をかけたあとでは、それがうまくいかないとわかっていても、止めることができない、という法則です。
日常にあるコミットメントの法則
- 途中まで読んだけど、つまらなかった本を最後まで読む
- 上記、アニメ、ドラマ、映画等も同じ。(特にお金を払ったものはそう)
- 時間とお金を掛けた恋人と別れられない
- 入念に調べて、投資した株を損切りできない(時間もお金も掛かっている)
ある物事に時間と資金を投資したり、ある関係にエネルギーを使ったりすると、うまくいかないとわかったあとでも、それを捨てたり止めたりすることがなかなかできないのですね。
すぐに捨てたり止めたりできればできるほど、損失が少なくて済むはずです。
コミットメントの法則と損失回避バイアスが組み合わさるときがある
以前、損失回避バイアスについて記事を書きました。これとコミットメントの法則が重なると威力が強くなるので、不合理な判断と行動をしやすくなってしまいます。(別々に発動することもあります)
上記の事例を、途中で止められたとしましょう。それって、損失を受け入れることができたということですよね。このままじゃ損になるだけだから止めようとできたわけです。
しかし、なかなか受け入れられないのは、損失回避バイアスもそこで発生しているからです。損失した分を取り戻したいという心理は、やはり強力なようです。
これら2つの心理的作用が発生すると、楽観主義に陥りやすくなります。
いつか恋人が優しくなってくれる、もっとお金を稼げるようになってくれる。そのうち、下がった株価も元に戻るだろう。そういった、実際は何の根拠もないのに、楽観的に物事を捉えてしまうのです。
コミットメントの法則を回避するために
コミットメントの法則に引っかかると、結果的に、損失を先延ばしにしていて、コストが非常に高くついていることに、まず気づきましょう。
購入したつまらなかった本やアニメを見続けても時間が無駄になるだけです。お金は失いましたが、時間まで失うことはありません。
過去を捨てることを学びましょう。やってしまったこと(すでに出た損失)は受け入れるしかありません。ただし、自分のハマってしまった穴を掘り続けるようなことは止めて、方向転換すればいいのだ、と気づくことが大切です。
あきらめるときを知るだけでも対策になります。あらかじめ、どうなったら止めるか決めておくのもいいかもしれません。(これだけの損失が出たら止める、何ページ読んでみて、つまらなかったら止める等)
また、「もし、自分が今からこの状況に置かれるという選択肢があるとしたら、それを選択したいと思うだろうか?参加するという選択をするだろうか?」と自問することも対策として有効です。
特定のやり方や状況を続けるか止めるか迷ったときは、この自問自答をしてみましょう。状況に応じて、質問の言葉を変えてみてください。
もし、この人と恋人関係に今からなるということが選択できるなら、付き合うという選択をするだろうか?といった形に変えてみます。答えが「ノー」なら、別れるべきでしょう。
一貫性の法則について
自分の言動と行動を常に一致させたい、一貫させたいという行動心理があります。
「コミットメントと一貫性」については今後記事にするかもしれません。
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