「他人への評価を下す」ことがコミュニケーションでの怒りを発生させ、争いに発展します。
例えば、デスクが散らかっているのを「だらしない」と言われたら、「こっちの忙しさも知らないくせに」とカチンときてしまうわけです。
この「だらしない」という相手の評価が、よくないわけですね。こういった評価を表した言葉は、自分も知らず知らず使っているかもしれません。そこで、争わない話し方を考えてみます。
①評価ではなく、どうしてほしいか伝える
評価を伝えると、相手の怒りを誘発し、反撃を食らう可能性があります。(相手を褒めるのであればいいのかもしれませんが)
なので、問題になっている行動だけに注目し、どうしてほしいか伝えるだけにしておきましょう。
「この行動で困ってるんです。なんとか協力してくれませんか?」と相談する感じで伝えます。
②主語を「あなた」から「私」にする
主語を「あなた」にすると、相手を評価する言葉になりがちです。なので、「私」を主語にして、自分だけの事情だけを話すと評価しなくてすみます。
予定をキャンセルされた場合、「私は楽しみに見てたから、悲しい」とだけ言えばいいわけですね。これを「あなたは勝手だ」とか「仕事人間」とか言ってしまうと、相手への評価になり、争いが起こるかもしれません。
主語を「私」にして、相手をカチンとさせない話し方をしてみましょう。
③要求ではなく依頼をする
要求は、相手への命令といった感じがあり、あまりよい印象を与えません。また、相手への領域に入りがちですから、反感を食らいます。
なので、要求ではなく依頼をします。「〇〇してくれるとありがたいんだけど」といった感じの伝え方ですね。
要求として気をつけたほうがいい言い方は「埋め合わせをして」「〇〇するのは最後にして」といったものです。
依頼をする感じだと、相手は自分の領域が守られていると余裕ができて、協力的になってくれます。そのため、要求よりも以来のほうが望みが実現しやすいのです。
強く言わなければ聞いてもらえないというのは、錯覚ですので、依頼の言い方をを心がけると争いが起こりません。
④相手を安心させる
相手から評価をされると、ムッとしますよね。そういったときは、相手の不安を見抜いて、相手を安心させるという方法があります。
相手の評価というのは、自分の決めつけなわけです。この決めつけが激しい人ほど不安を抱えているのですね。
安心させる言葉としては
- 心配してくれていることに感謝を述べる
- 失敗しても相手のせいにしないことを伝える
- 今すぐ返事をしなくてもよいことを伝える
といったことがあげられます。
変に優しくする必要はありませんが、相手の不安を取り除くことで敵対的な空気が変わります。
⑤返事を用意しておく
相手からの評価や批判を受け流すことも大切です。相手からの評価に、評価で返さないことです。
相手の上から目線の評価は結構カチンときてしまうことがあるかもしれません。服がダサいとか、もっと〇〇すれば?とかですね。
こういった言葉に対する返答としては
- そう思うんだ
- 上記で再度同じことを言われたら「ふうん、そう思うんだ」のループ
- 考えてみるね
といった安全な切り返しを決めておきます。
このとき、上から目線になってしまうような相手の事情もあるんだな、と考えると怒りを手放しやすくなるでしょう。
⑥自分の領域を侵されそうになったとき
領域を侵す例として「恋人と別れなよ」「あの会社にいることは良くない」といった相手の領域に立ち入るアドバイスがあります。アドバイスは全般的に領域に立ち入るものなので、するときも、されるときも注意したほうがいいでしょう。
そもそもアドバイスは相手の現状を否定する要素があります。つまり、望んでもいないアドバイスは強い怒りを感じさせますし、反感を買うことになります。
アドバイスをするときは、相手からアドバイスを求められたときのみでよいでしょう。
また、アドバイスをされたときは、自分の領域への侵入を許さないようにするとよさそうです。そのためには、相手からの侵入を侵入ととらえないように考えてみることです。どういった方法かというと、相手から望まないアドバイスをされたときは、それを「相手の心の悲鳴」だと考えてみる方法です。
アドバイスをする人は、つい言ってしまうことが多く、他人の現状を静観することができない人です。そうせざるを得なくなってしまった事情が相手にあるわけで、相手の領域の問題だと考えてみましょう。
もし、アドバイスをされたら、「心配してくれてありがとう」と伝えるだけにしておきます。もちろん、相手のアドバイス通りにする必要はありません。そして、怒る必要もなくなるわけです。
⑦相手の都合も考える
自分も相手も、それぞれ都合があるので、コンディションが悪いときがあります。なので、お互いに余裕があるときに話をするのがベストでしょう。
そうはいっても、互いに余裕があるタイミングはなかなかないかもしれません。なので、メールやチャットを使うのも有効です。友人や恋人ならラインもいいでしょう。
ときには相手の都合を優先することで、自分への協力姿勢を引き出すことができます。
コメント