言葉がでてこないとき
会話で言葉がでてこない、お店に入って気になることがあるけど店員さんに気持ちを伝えられない等。頭の中で言葉がでてこなくて、口にできないこともありますし、頭の中で言いたい言葉があるのに、口にできないこともあります。ここでは、僕が自分なりにコミュニケーションが少しできるようになった話を書きます。
この話は、どちらかというとADHDやASDでコミュニケーションがそもそもできなくて困ってる人用みたいな感じですね。僕は当事者なので、役に立てれば嬉しいです。
喫茶店で店員さんに声を掛けられなかった
僕はコーヒーが好きなので、喫茶店に行くことがあるのですが、呼び出しボタンがない喫茶店だと、店員さんに声を掛けないといけません。
お水を持ってきてくれた後、声を掛けるタイミングが見つからないし、呼ぼうとしてもなんだか怖いのか不安なのか声が掛けられなかったんですね。そして、そのまま何もせず帰ってしまいました。
人との会話で何を言えばいいか、わからなくなる
ほんの時々、人と会話する場面に出くわすのですが、なかなか人と会話が続かないんですよね。何か言われても「はい」「そうなんですね」みないな会話の後、ただの沈黙になります。
「会話しなくても平気なの?」と聞かれたことがあるのですが、会話の方法がわからないというのが正直なところです。やっと返事の言葉が浮かんでも、すでに時遅し。ということもあります。
当時は「今より、ちょっとは人と無難に会話したり、声を掛けられるようになりたいな」と思いました。
目標を設定してみた
コミュニケーションの目標としては
- 人に声を掛けられるようになる
- 会話を5分続けられるようになる
- 気になることがあれば、その場で言えるようになる
と設定しました。
後で「次はこうしよう」と考えてみる
僕の場合、初めての経験や会話の内容には、正直対処できません。なので、どうしても事後的に対策を取って、それをやってみて、また改善するという方法になるんですよね。対策が全然できていないときは、相手から「なんだこいつ」と思われても仕方ないかな、と思っています。この辺りは諦めの境地ですね。受け入れるしかありません。
喫茶店で、店員さんに声を掛けられなかった後、僕は対策を考えました。①呼び出しボタンがあるお店しか行かない(でも事前にわからんな)②声を出すのが苦手なので、手を挙げる、振る、で対策③勇気を出して「すいません」と手を挙げてみる。④スマホで「チーン」と呼び出しの鐘がなる音を出す。
その場で、対策できればいいのですが、その場だとできないんですよね。残念ながら、家に帰って一人で落ち着いたときにしか、考えが浮かばないんです。
まずは、「次はこうしよう」と考えてみるだけで十分です。ただ、それだけだと、次が来たときにうまくできないこともあります。そこで、ちょっと、もうひと工夫してみたわけです。
浮かんだ対策のリハーサルをする
自分の部屋で、椅子に座り、喫茶店にいるイメージをします。そして、実際に空想の中の店員さんに向けて手を振ってみたのです。
次に、「すいません」と実際に声を出してみます。リハーサルでも、最初は全然声にできません。部屋の中で自分一人なんですが、なんか恥ずかしいし、なんか声が詰まるんですね。これについては、僕の場合、結構慣れないとできませんでした。
スマホの音にも挑戦してみます。youtubeで「卓上ベル」と検索すれば、すぐに用意できます。ただ、店内でこれを鳴らすのもなかなか恥ずかしくてハードル高いんですが。
結局、僕が最初にできそうなのは、店員さんに向けて手を挙げる・振るということでした。実際にうまくいきました。人の目を見れないので、店員さんの方に顔を向けて手で合図するだけでした。
その後、実践→「次はこうしよう」と考える→リハーサル→実践に戻るの繰り返しです。
いつしか、僕は「すいません」と店員さんに声を掛けることができるようになりました。そうすると、喫茶店以外にも、外出できる場所が増えました。カウンターで店員さんに声を掛けることができるようになったからです。
この対策は会話でも役立つ
会話においても
実践(or最初の体験)→「次はこうしよう」と考える→リハーサル→実践に戻る
というやり方は有効でした。
会話の中身の良し悪しは別として、とりあえず人と話をできるくらいにはなれました。会話テクニックなど、使う土台なんてないですから、まずは話せるようになるように対策したのでした。
昔は、返事は、「はい」「いいえ」「わかりました」「わかりません」の4択くらいしかなかったのですが、この対策で選択肢が増えました。
終わりに
上記の目標は無事、達成できました。気になることが相手に伝えられないときも、実際に伝えてる場面をイメージしてリハーサルすると、伝えられることが多くなりました。買った商品に傷や汚れがある、喫茶店のコーヒーカップがちょっと欠けてること、相手の声がうまく聞き取れない等。ほとんどの場合、相手は直してくれました。実践して、うまくいく体験をすると、より実践しやすくなっていきます。
そんな対策しなくても、それくらいできるよって人が多かもしれません。ただ、苦手な人は、めちゃめちゃ苦手なんですよね。
会話の場合は、深く考えすぎて、うまくいかないのかもしれません。考えすぎて言葉が出ない。あるいは、相手の質問に、うまく答えが見つかって真面目に答えたら引かれる場合もありますからね。いろいろ試してみて、会話は軽くいくのがいいのだと感じております。
リハーサルをすると恐怖心や不安が少しずつ減っていきます。実践できるくらい小さくなったと思ったら、実践してみるというようにやっていました。その繰り返しで、なんとかコミュニケーションが取れるようになりました、というお話でした。
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